みなさまごきげんよう!
嗚呼蛙でございます!
去年買った本のまとめで正月の課題図書にしていた「読まなくてもいい本」の読書案内の感想をまだ書いていませんでしたので、今日はそれについて書いていこうと思います。
色んな知識を仕入れられて、オススメ入門書の紹介付きなので、詳しく知りたくなっても安心の一冊でした。
『「読まなくてもいい本」の読書案内』の基本情報
複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、功利主義について、それぞれの考えがどう生まれ、その考えが生まれたことで、それ以前の定説がどう役に立たなくなったかといったことがストーリー調で描かれています。
今から学んでも役に立たないものが理由付きで紹介されているので、今後の本選びの参考にできそうです。
書いてある内容は、以前ご紹介した『不愉快なことには理由がある』とかなり被っていますが、それとはまた別の視点で書かれているので、『不愉快なことには理由がある』を読んだ人でも楽しく読めるでしょう。
それぞれのテーマについてのオススメ本の紹介も載っています。
著者
著者の橘玲さんは投資や経済方面に強い作家さんです。
早稲田大学第一文学部卒業。元・宝島社の編集者。日本経済新聞で連載を持っていた。海外投資を楽しむ会創設メンバーの一人。
目次
はじめに なぜこんなヘンなことを思いついたのか?
1 複雑系
1─一九七〇年代のロックスター
2─「フラクタル」への大旅行
3─世界の根本法則
追記 複雑系とカオス
ブックガイド
2 進化論
4─一〇分でわかる「現代の進化論」
5─「政治」と「科学」の文化戦争
6─原始人のこころで二一世紀を生きる
ブックガイド
3 ゲーム理論
7─合理性とMAD
8─「行動ゲーム理論」は世界の統一理論か?
9─統計学とビッグデータ
ブックガイド
4 脳科学
10─哲学はこれまでなにをやってきたのか?
11─フロイトの大間違い
12─「自由」はどこにある?
ブックガイド
5 功利主義
13─「格差」のある明るい社会
14─社会をデザインする
15─テクノロジーのユートピア
ブックガイド
あとがき
見どころ
自分が数学や経済の話より生き物のことに関心が強いので、進化論や、脳科学、功利主義の辺りを面白く感じました。
人間の行動や心理を、遺伝子に組み込まれた人間という動物の習性として説明する進化論は、大変な「なるほど」感があって面白いです。
わかりやすいところだと女性と男性の生殖戦略の違いとかですね。
女性が子孫を残すためには妊娠・出産・育児と莫大なコストがかかるのに対し、男性のコストは生殖行為のみなので、それぞれより多くの子孫を残すための戦略が異なる。
そのため、女性は安心して妊娠・出産・育児が出来る環境を与えられる相手を求め、男性はより若い相手との乱交を求める。
この傾向は同性愛者の場合でも変わらず、レズビアンは一婦一婦を好み、ゲイは乱交を好む。
個人がどうかは置いといて、進化論的には我々はそういうハードに乗っかってるってことですね。
本の中では不愉快な事実とされていますが、自分はこういうのが面白いと思います。
これを5章の功利主義で書かれている社会デザインにどう活かすかとか考えると、ちょっとワクワクしてくるんですよね。
まとめ
- 複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、功利主義について解説
- これら以前の考えを学ぶのは無駄だからやめた方が良い
- 内容的には『不愉快なことには理由がある』とかぶる
- オススメの入門書が紹介されている
ちなみにゲイにも百人斬りが当たり前の人とパートナー制の人がいますし、レズビアンにも遊び人の人はいます。
では、今日のところはこの辺で。
嗚呼蛙でした。