人の性質から社会問題を解く『不愉快なことには理由がある』が大変面白かった。

みなさまごきげんよう!

嗚呼蛙でございます!

 

昨日の雨の音の記事が大変ご好評いただいているようです。

自分の好きなモノの紹介まとめがバズるというのは嬉しいものだなーとホクホクしています。

また何かネタを見つけたら記事にしたいと思いますよ。

 

さて今日は、橘玲の『不愉快なことには理由がある』がとっても面白かったよって話です。

 

 

 

 

 

『不愉快なことには理由がある』の基本情報

『不愉快なことには理由がある』は、 『週間プレイボーイ』に連載中していた「そ、そうだったのか!?真実のニッポン」を再構成した本だそう。

目次は以下のようになっています。

 

目次 INTRODUCTION

たったひとつの正しい主張ではなく、たくさんの風変わりな意見を

 

PROLOGUE

世界の秘密はすべて解けてしまった

  • なんでこんなことに気づかなかったのか?
  • どれほど修行しても解脱できない
  • 大富豪はマサイ族よりちょっとだけ幸せ
  • 税金を払わないのには進化論的な理由がある
  • コンピュータは心理学者
  • 不合理は合理的
  • 高校生のセックス相関図
  • 音楽家になれるかどうかは親を見ればわかる
  • 「私」という永遠の謎
  • 人類の歴史はたった30秒

  

Part1 POLITICS 政治

1 不思議なデモクラシー 

  • 私たちは「猿の惑星」に住んでいる
  • 私たちが請求されるデモクラシーのコスト
  • 君子はかんたんには豹変できない
  • あなたは〝ゴミ〟になれますか?
  • 参議院は廃止したらどうだろう
  • AKB48総選挙で「政治」を考える
  • 『ONE PIECE』とフランス革命

  

2  有権者はバカでもいいのか? 

  • 有権者がバカでもデモクラシーは成立する?
  • 有権者が合理的でも、選挙結果はなぜか不合理
  • 「みんなの選択」が合理的だと社会は崩壊する?
  • 日本を救う政治家を選ぶ方法

  

3  カリスマとハシズム 

  • ハシズムとネオリベ
  • 「独裁者」はまた現われる
  • 小沢一郎はなぜエラそうなのか?
  • 「首相が変われば日本はよくなる」という幻想
  • 「強いリーダー」はなぜいないのか?

  

4  不愉快な問題 

  • 〝おまるカレー〟問題
  • 原発と野生動物 東京電力には値上げの「権利」がある
  • 議論するほど亀裂は深まる
  • 私たちのエゴが原発を止める
  • 尖閣問題は未来永劫つづいていく
  • 愛国はめんどくさい
  • アイリス・チャンが死んだ日
  • 30年前は日本の「民度」もこんなもの

  

Part2 ECONOMY 経済

5  グローバル市場と国民国家 

  • 決断できない世界
  • 国家はもはや市場を制御することができない
  • 国民が国家を搾取している
  • グローバリズムによって人類は幸福になり、ウォール街は占拠された
  • 〝富〟は不正がなくても集中する

  

6  日本経済の「不都合な真実」 

  • ハルマゲドンがやってきたら
  • 〝劣等人種〟と〝劣等産業〟
  • コンプガチャが許されるのは国家だけ
  • 世の中を幸福にする「不都合な真実」

  

7  愚者の楽園

  • 年金消滅は「素人社会」の宿命
  • 「生活保護」をめぐるやっかいな問題
  • 「生活保護で貧困はなくならない」と賢者はいった
  • 消費税率30%の未来
  • ベーシックインカムは「愚者の楽園」

 

Part3 SOCIETY  社会

8  特別な日本、普通な日本

  • 日本の若者はほんとうにリスクをとらないのか?
  • 日本人はどんなふうに「特別」なのか?
  • 〝無責任社会〟は無限責任から生まれた
  • 東電の社員は原発事故に責任を負うべきなのか?

 

9  日本人の「混乱」

  • 日本は大家族制に戻っていく?
  • 「家族の絆」を取り戻すもっとも簡単な方法
  • 日本人は日本語に混乱している
  • 江戸時代の暮らしが知りたければインドのスラムに行けばいい
  • 上を見れば限りはあるけれど、下を見れば切りがない
  • 日本はスピリチュアル社会になっていく?

 

10  いじめの進化論

  • いじめ自殺はなぜ公立中学で起こるのか?
  • 正義の本質は娯楽である
  • 公務員という「安全な生贄」
  • 学校はいじめを前提に成立している

 

Part4 LIFE  人生

11  彼と彼女の微妙な問題

  • お金はなぜ〝汚い〟のか
  • 男と女はなぜわかりあえないのか?
  • あなたの隣にいるエイリアン
  • 彼が彼女を許せなかった過ち
  • 彼女が宇宙人になったら

 

12  日常に溢れる「魔法」

  • 「48」というマジックナンバー
  • 俺たちのカワシマを守れ!
  • セロトニンで出世する方法
  • 〝モテキ〟はなぜやってくるのか?

 

13 知りたくなかった? 人生の真実

  • 宝くじは「愚か者に課せられた税金」
  • ダイエットに成功すると仕事に失敗する?
  • 恋人が死ぬより長時間通勤の方が不幸?

 

EPILOGUE

進化論的リバタリアニズムのために

  • 教育をめぐる不都合な事実
  • 原理的に解決不能な問題を「解決」する
  • (1)市場を利用する
  • (2)進化論的に制度を最適化する
  • (3)価値観を多様化する
  • おせっかいな自由主義

 

あとがき 

 

 

感想

目次にあるような色々な問題を、進化論や、心理学などを用いて説明したり、解決案を出したりしている本なのですが、これがとても面白かった。

 

例えば、

政治家を選ぶ際は「人間は会話をする時に発するハミング音を無意識にボスに合わせる」という性質を利用して、討論のハミング音を計測して決めればいい。

 

貧困の解決には、施しをするよりも、借り手を5人1組にして連帯で返済させる「マイクロクレジット」という仕組みを導入した方が、相互監視や助け合いが働いて上手くいく。

 

エコバックを普及させたいなら「人間は損をすることに敏感」という性質を利用して、「レジ袋を断って2円値引き(得)」よりも、「レジ袋をもらって2円余計に払う(損)」という印象を与える方が上手くいく。

 

そういう話がたくさん載っています。

 

本の冒頭に「色々書いたけど書いたことが正しいわけではない」と明記されているように、専門的に正しいかどうかはわかりませんが、面白ければそれで良し派の自分にとってはとても良い本でした。

ちなみに、著者の橘玲さんが詳しい分野は経済のようです。

早稲田大学第一文学部卒業。元・宝島社の編集者。日本経済新聞で連載を持っていた。海外投資を楽しむ会創設メンバーの一人。

橘玲 - Wikipedia

 

 

内容の正確性に疑問があるといっても、ちゃんと情報元が載っているので気になったところは自分で調べられそうですし、単純に読み物としても面白いのでオススメですよ!

コラムのまとめなので読みやすいのも好きです。 

不愉快なことには理由がある (WPB eBooks)

不愉快なことには理由がある (WPB eBooks)

 

不愉快なことには理由があるのカスタマーレビュー

 

そのうち同じ著者の他の本も読んでみたいと思います。 

Amazonの橘 玲ページ

 

「読まなくてもいい本」の読書案内も読みました! 

「読まなくてもいい本」の読書案内 ――知の最前線を5日間で探検する

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では、今日のところはこの辺で。

嗚呼蛙でした。