みなさまごきげんよう!
嗚呼蛙でございます!
昨日、本屋さんに入ったら『嫌われる勇気』が平積みになっていて、帯には130万部突破の文字が入っているのを見かけました。
2013年に出た本ですが、未だに売れ続けているってことは、やっぱりいい本なんでしょうね。
久しぶりに読みたくなったので、読み返してしまいました。
ということで今日は、『嫌われる勇気』の書評・感想です。
『嫌われる勇気』の基本情報
『嫌われる勇気』は、フロイト、ユングと並ぶ、心理学界の三大巨匠であるアルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を、哲学者と青年の対話形式で解説している本。
累計130万部を突破するベストセラーになっています。
人間はみんな自分の主観で生きているので、考え方を変えさえすれば、今この瞬間から幸せになることができるというようなことを、丁寧に解説している本です。
著者
岸見一郎
京都教育大学教育学部、甲南大学文学部、京都府医師会看護専門学校、奈良女子大学文学部非常勤講師、前田医院精神科勤務、聖カタリナ女子高等学校看護専攻科(心理学)非常勤講師。日本アドラー心理学会認定カウンセラー。日本アドラー心理学会顧問。
古賀史健
株式会社バトンズ代表/ライター。1973年生まれ。一般誌やビジネス誌で活動後、現在は書籍のライティング(聞き書きスタイルの執筆)を専門とし、実用書、ビジネス書、タレント本などで数多くのベストセラーを手掛ける。
目次
第一夜 トラウマを否定せよ
- 知られざる「第三の巨頭」
- なぜ「人は変われる」なのか
- トラウマは、存在しない
- 人は怒りを捏造する
- 過去に支配されない生き方
- ソクラテスとアドラー
- あなたは「このまま」でいいのか
- あなたの不幸は、あなた自身が「選んだ」もの
- 人は常に「変わらない」という決心をしている
- あなたの人生は「いま、ここ」で決まる
第二夜 すべての悩みは対人関係
- なぜ自分のことが嫌いなのか
- すべての悩みは「対人関係の悩み」である
- 劣等感は、主観的な思い込み
- 言い訳としての劣等コンプレックス
- 自慢する人は、劣等感を感じている
- 人生は他者との競争ではない
- 「お前の顔を気にしているのはお前だけ」
- 権力争いから復讐へ
- 非を認めることは「負け」じゃない
- 直面する「人生のタスク」をどう乗り越えるか
- 赤い糸と頑強な鎖
- 「人生の嘘」から目を逸らすな
- 所有の心理学から使用の心理学
第三夜 他者の課題を切り捨てる
- 承認欲求を否定する
- 「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない
- 「課題の分離」とはなにか 他者の課題を切り捨てよ
- 対人関係の悩みを一気に解消する方法
- 「ゴルディオスの結び目」を断て
- 承認欲求は不自由を強いる
- ほんとうの自由とはなにか
- 対人関係のカードは、「わたし」が握っている
第四夜 世界の中心はどこにあるか
- 個人心理学と全体論
- 対人関係のゴールは「共同体感覚」
- なぜ「わたし」にしか関心がないのか
- あなたは世界の中心ではない
- より大きな共同体の声を聴け
- 叱ってはいけない、ほめてもいけない
- 「勇気づけ」というアプローチ
- 自分には価値があると思えるために
- ここに存在しているだけで、価値がある
- 人は「わたし」を使い分けられない
第五夜 「いま、ここ」を真剣に生きる
- 過剰な自意識が、自分にブレーキをかける
- 自己肯定ではなく、自己受容
- 信用と信頼はなにが違うのか
- 仕事の本質は、他者への貢献
- 若者は大人よりも前を歩いている
- ワーカホリックは人生の嘘
- 人はいま、この瞬間から幸せになることができる
- 「特別な存在」でありたい人が進む、ふたつの道
- 普通であることの勇気
- 人生とは連続する刹那である
- ダンスするように生きる
- 「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てよ
- 人生最大の嘘
- 無意味な人生に「意味」を与えよ
『嫌われる勇気』の感想
嫌われる勇気で書かれていることをまとめると、「人は目的のために全てを利用する」「幸せとは、自分は他者に貢献できていると思えることである」の2点に集約されると思います。
人は、今の自分の目的のために、感情さえも道具として使う。
アドラー心理学では、これを目的論というそうです。
外に出るのが不安でひきこもっている人は、「不安だから外に出られない」のではなく、「外に出ないために不安という感情を作っている」、なぜなら、外に出て社会の目に晒されることが怖いから。
赤面症で意中の相手に告白できない人は、「赤面症だから告白できない」ではなく、「告白しないために赤面症を言い訳にしている」、なぜなら、告白して振られることが怖いから。
目的論では、人の行動や、感情を上記のように考え、嫌われる勇気の中で出てくる様々な例を目的論で説明しています。
つまり、「○○できない」と言っている人は、自分で「○○」できない状態を選んでいるということです。
全ての責任を負わされるようで耳が痛い話ですね。
ですが、これは同時に希望のある話でもあります。
全部自分で選んでいるなら、幸せになることを選びさえすれば、誰でも今すぐ幸せになれるということになりますから。
嫌われる勇気が支持される理由も、この辺にあるんでしょうね。
嫌われる勇気では、さらに、幸せになる方法についても書いていて、幸せとは他者への貢献によって得られるものであるとしています。
この貢献というのがちょっと厄介で、他人から評価されるためでもなく、自分を犠牲にして尽くすのでもなく、自分が自分の価値を実感するためにすることであるべきとなっているんですね。
評価を求めたり、自分を犠牲にしていると感じていると、不満が生まれるのでよくないのだそうです。
理屈はわかるんですが、自分は承認欲求の塊のような人間なので、完全に評価を考えないのは難しいなと思いましたね。
ですが、実践できたら、生きることがすごく楽になるだろうと思うので、生き辛さを感じる人は一読の価値あり、いや、するべしの本だと思います。
続編の『幸せになる勇気』の書評・感想も書いていますので、よろしければこちらもどうぞ。
まとめ
- ポイントは目的論と貢献感
- 人間は自分の目的のために感情も捏造する
- 不幸な人は不幸な人生を自分で選んでいる、幸せを選べば幸せになる
- 幸せとは、自分は他人の役に立っているという実感

嫌われる勇気は読んで理解しても、中々実践するのは難しいです。自分の場合、承認欲求のるつぼに落ちたと感じた時とかに思い出すように努めています。
では、今日のところはこの辺で。
嗚呼蛙でした。