出会い系迷惑メールにひっかかるとこうなる。中の人から聞いた舞台裏

f:id:aaafrog:20151212160848j:plain

みなさまごきげんよう!

嗚呼蛙でございます!

 

昨日初めてpepperくんを間近で見ました。

予想もしない動きをしたりするのでちょっと怖かったです。

もう少しスムーズに会話できるようになったら良いかもしれませんね。

 

さて今日は、昔聞いた出会い系サイトにまつわる話ですが、なかなかに胸くそ悪い話なので、苦手な方はスルーしてください。

 

 

 

 

 

悪質出会い系サイトの舞台裏

彼はミュージシャンだった。

 

当時は、夜勤のバイトをしている友人が多かったため、飲み会といえば朝の歌舞伎町というのがお決まりだった。

その日も朝から電車に揺られ、閑散とした朝の新宿に向った。

 

チェーン居酒屋の入り口をくぐり、友人らのテーブルを探した。

入口付近の通路の右手の座敷にいたので、探すのに苦労はなかった。

  

6人くらいがお好み焼きやホッケを肴に、ビールを何杯か開けていた。

6人のうち2、3人が初めてみる顔だったので適当にあいさつをして席につく。

この時の初めて会う2、3人の中の1人が彼だった。

 

彼に対して、特別思うことはなかった。

彼らはパチンコかスロットの話で盛り上がっていたので、気が合う要素はない人種だろうと判断したのだ。

彼らの会話には入らずに、オタク寄りの友人に『ひぐらしのなく頃に』の話を振った。

 

「そういえば、最近あのバイトどうなん?」 

 

「ヤバイよー、何本かメール送ってあとは寝てるだけなのに時給1700円くらいもらえるし、 税金対策か何かで金使わないといけないからって年末スタッフ全員に游玄亭おごりでさー」

 

彼の話にその場の全員が興味を示した。

そんな好条件のバイトなど、自分も含めみんな聞いたことがなかったからだ。

 

彼の仕事は「こんな子と恋人同士になりたい」と思わせるような人物像、キャラクターを作り出し、 その人物になりきってお客とメールのやり取りをするというものだった。

いわゆる迷惑メールの中の人である。

 

何故メールのやり取りがそんなに儲かるのかというと、 メールの送受信にお金がかかる出会い系サイトに誘導するからなのだそうだ。

有料のメールを使ってでも今やり取りしている相手と出会いたいと思わせるのが彼の仕事らしい。

 

しかし、無料の出会い系サイトやmixiなんかもあるのに有料サイトを使いたい人間なんて本当にいるのだろうか。

自分自身、無料の出合い系サイトを使用して、何人かと会ったことがあるので、わざわざ有料のサイトを使う理由がわからなかった。

疑問に思って訪ねると、彼は得意気に答えてくれた。

 

出会い系サイトは、基本的に掲示板とメールで相手を探すシステムになっている。

掲示板に「自分はこういう人でこういう相手を探しているからメール下さい」と書き込んでメールが来るのを待ちつつ、他の人の掲示板の書き込みを見て条件が合いそうな相手にメールを出す。

そうして相手を探してメールのやり取りをし、実際に会う日時や場所を決めて出会うというわけだ。

 

ところが、無料の出会いサイトというのは、掲示板に書き込みをしても、 書き込みにあるアドレスにメールをしても、メールが返ってくることはほとんどないらしい。

というのも、文章や数枚の写真だけで他人に魅力的な人物だと思ってもらうのは非常に難しく、 大抵の人はメールを送ってもらえる文章を書けないからである。

自分にも覚えがあるが、顔や体型などに自信がないことや、下衆な欲望を馬鹿正直に書いてしまったり、 写りが良くない写真を載せてしまったりと、魅力的とはとても言えないような 書き込みやメールをしてしまうことはよくあることなのだ。

逆に送ってもらったメールが残念な内容であることも当然ある。

 

一方、有料サイトの場合、スタッフが魅力的な人物、キャラクターを装ってユーザーにメールを送るので、 全く相手にされない状況は100%ない。

しかも、このキャラクターというのは何百と用意されていて、それらから一斉にメールが送られてくるので、 登録するだけでギャルゲーも真っ青のモテモテ状態になってしまうのだそうだ。

なるほど、カラクリを知らなければハマってしまうのもわかるような気はする。

 

続けて彼は、自分の担当しているユーザーやキャラクターについても話してくれた。

出会い系サイトにも、スマホの課金ゲームのように一人で何百万円も使うヘビーユーザーがいるらしい。

 

ある中年の男性ユーザーは、20歳以下の複数のキャラクターたちと純愛を楽しんでおり、 中高生設定のキャラクターに対して「君だけを愛してる、でもお金がないからホテル代とお小遣いちょうだいね」 などとメールしてくるのだそうだ。

 

また、中年の女性ユーザーは、某アイドルグループのメンバーという設定のキャラクターと友情を育んでおり、 「いつも応援してるよ、大変だと思うけど頑張ってね、ところで約束のお金をすぐ振り込んで欲しいんだけど」 などとメールしてくるらしい。

 

何故金銭の話が出てくるのかといえば、そういう設定のキャラクターがヘビーユーザーに受けるからなのだそうだ。

異性愛者向けの出合い系サイトなので、男性ユーザーに対しては「若くて美人でスタイルが良くてヤらせてくれて金をくれるキャラクター」が、女性ユーザーに対しては「某アイドルグループのメンバーなどイケメン芸能人キャラクター」か、「性的なことも何もなしで金だけくれるキャラクター」が人気ということだった。

 

彼にその仕事をしていて罪悪感がわかないかを聞こうと思ったがやめた。

答えはわかりきっているし、自分自身そのヘビーユーザーたちに対して何を思えば良いのかわからなくなっていた。

その日はモヤモヤした気持ちのまま過ごしたが、次の日にはこの出来事は飲みの席で聞いた面白怖い話でしかなくなった。

 

今、彼や彼が担当していたユーザーはどこで何をしているだろうか。

それを知るすべはないが、迷惑メールフォルダには今日もたくさんのメールが届いている。

 

 

この件で学んだこと

  • 迷惑メールがなくならない理由は儲かるから
  • 上手い話は警戒したほうが良い

迷惑メールには出合い系の他にも、旅館やホテル、宅配業者、銀行などを装ったモノや、儲け話を持ちかけるモノや、バイアグラやサプリメントを買わせるモノなど様々な手口がありますので気をつけたいところです。

 

 

『日々群青色』のtorihitoさんが言及してくれました!

もっと詳しいことを知りたい方は是非!

www.gunjyou.net

 

 

 

では、今日のところはこの辺で。

嗚呼蛙でした。